ごあいさつ

平素は、島根・鳥取両県で開催の落語会について、格別のご協力を賜り厚く御礼申し上げます。
昭和の終わりから平成の時代、古くから愛されてきた日本の伝統や風習を顧みず、他国の文化や新しい技術を重視する傾向が続いたように思います。平成の終わりを迎える昨今、経済鈍化、グローバル化、AIの普及などの社会変化と足並みをそろえるように、自国の文化を深く知ることに対しての情熱が高まってきているのを感じます。それは、日常的に外国からの観光客や移住者が増え、私たちの生活や歴史を自分の言葉で伝える機会が増えたことに比例しているとも感じています。

NHKを例に取れば、2016年開始の「超入門!落語 THE MOVIE」、2017年「落語ディーパー! 〜東出・一之輔の噺のはなし〜」、2018年ドラマ「昭和元禄落語心中」、2019年大河ドラマ「いだてん」と、個別の内容紹介から、作品やその背景の解説、そして題材へと、社会のニーズに合わせるように、関連する番組が増加しています。そして、1991年からの「日本の話芸」、2011年からの「演芸図鑑」など形を変えつつ続く芸能番組も健在です。

同じように、島根・鳥取両県内で落語をはじめとする浪曲・講談など古典芸能の会も、多種多様に年々増加傾向にあることを大変喜ばしく拝見しております。
この流れを受けて、島根・鳥取での横の連携を取り、相互にこの機運を高めて参りたいという趣旨で「山陰落語の会」を2019年5月、元号が改まるのにあわせ、立ち上げることといたしました。
情報の共有、各会での情報発信を手始めに、それぞれの取り組みを相互に支援していけるようなかたちを目指しております。願わくば、みなさまの暮らしの中に「笑い」を増やし、日本の伝統文化を暮らしのなかに取り込むといった一助になれればこれ以上の喜びはありません。
つきましては、「山陰落語の会」の趣旨をご理解いただき、皆様のご賛助を賜りますようお願い申し上げます。

2019月4月


山陰落語の会 代表 渡邊 学